保育園は制度より、子どもを見てくれていた。

私は先日、ずっと隠していたことを保育園の先生に打ち明けました。

現在、私は就労継続支援B型事業所の立ち上げ準備をしています。

しかし、その準備期間は「求職活動中」という扱いになります。

実は私は、そのことを保育園にずっと言えずにいました。

理由は単純です。

「求職中だと、いろんな事が今までのようには大目に見てもらえなくなる。」

そんな不安があったからです。

だから、変わらず勤めているように振舞っていました。

ついに話さなければならない日

求職期間の期限が近づき、市役所へ相談に行きました。

そしてその日の夕方、保育園へ迎えに行くと、先生が私を見るなり、

「大事になっています。」

と厳しく静かに声を掛けました。

私は覚悟を決めました。

事業所は3か月前に閉所してしまったこと。

行き場を失った利用者さんの日中活動の場として、現在は理絵さんの自宅で一緒に過ごしながら、新しい事業所の立ち上げ準備をしていること。

求職中という制度上の立場ではあるけれど、実際には以前より忙しい毎日を送っていること。

そして、

「今まで黙っていて、本当に申し訳ありませんでした。」

と伝えました。

正直、何を言われても仕方がないと思っていました。

先生が心配していたこと

ところが、先生が最初に心配したのは、私が想像していたこととは全く違いました。

「延長保育料、大丈夫ですか?」

求職中になると、延長保育の扱いが変わります。

仕事をしていた頃よりも料金がかかることを、先生は心配してくださいました。

私は一瞬、

「何万円にもなるのでは…。」

と不安になりましたが、詳しく確認すると、そこまで大きな負担にはならないことが分かり、少し安心しました。

そしてもう一つ。

先生が気にしてくださったのは、りくのことでした。

「このままだと、8月の七夕まつりに参加できなくなるかもしれないんです。」

制度上、7月15日までに就職が決まらなければ、8月は保育園を利用できない可能性があります。

先生はそのことを、とても心配してくださいました。

一番うれしかったこと

実は私の住所は三芳町ですが、保育園はふじみ野市にあります。

4月に引っ越したため、このままなら転園という選択肢もあります。

でも先生は、一度もその話をしませんでした。

先生の頭の中には、

「りくくんは卒園までこの保育園で過ごす。」

という前提が、当たり前のようにあったのです。

「どうしたら今の園で過ごし続けられるか。」

そのことを一緒に考えてくださいました。

その姿勢が、本当にうれしかった。

私が気付いたこと

私はずっと、

「制度だから仕方ない。」

と思っていました。

だから、求職中であることを打ち明けたら、制度の話をされるのだろうと勝手に思い込んでいました。

でも実際に先生が見ていたのは、制度ではありませんでした。

私たち親子でした。

延長保育料のこと。

りくが楽しみにしている七夕まつりのこと。

そして、卒園まで安心して通えること。

先生は制度を説明する前に、子どもの生活を守ろうとしてくれていました。

B型事業所を立ち上げる私が思ったこと

今回の出来事で、私は一つ大切なことを教えていただきました。

制度は人を支えるためにあります。

でも、その制度を運用するのは人です。

だからこそ、本当に安心できるのは、「制度に詳しい人」ではなく、「人を見てくれる人」なのかもしれません。

これから私もB型事業所を立ち上げます。

利用者さんやご家族が最初に出会うのは、「制度」ではなく、私たちです。

だから私も、制度を見るのではなく、その人の生活や想いを見られる支援者でありたい。

そう強く思った一日でした。

タイトルとURLをコピーしました